アラフォーシングルの「人生あと60年。まじで?!」

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【読書感想】ヤニス・バルファキス 『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』

こちらの記事で、紹介したヤニス・バルファキス『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』を読みました。

声を大にして言いましょう。

キャッチコピーの通り、本当に、とんでもなく面白い経済書でした。

私たちが当たり前のように使っている通貨とは、一体何なのか?

経済、通貨、国家、宗教、労使、全ては「余剰」から生まれた。

産業革命の原動力が石炭ではなく、「借金」だった。

などなど。

経済の成り立ちを神話や歴史を交えつつ説明する前半では「へえええええ、そうだったんだ!!」と、目からウロコ状態でどんどん読み進められます。

後半では、私たちの世界で今起きていることに話が及びます。 

われわれ人間は、テクノロジーの可能性を余すところなく利用する一方で、人生や人間らしさを破壊せず、ひと握りの人たちの奴隷になることもない社会を実現すべきだ。

そのためにはまず何よりも、機械を共同所有することで、機械が生み出す富をすべての人に分配したほうがいい。

これに関しては私も思うところがあって、会社勤めをしていて、やれ効率化だ、自動化だ、RPAだともてはやし、それらが実現できたとしても、その利はどこに行くのか?

結局、労働者の懐にはお金は入らないのです。

「時間は誰にとっても有限で平等」ということを私たちは知っていますが、そこで思考停止が起こっちゃってないか。
例えば私たち一人一人が、自分の時間を増産できるようになればどう変わるでしょうね?
例自分のタスクを自動化して創出した時間を自分のリソースとして使えるとしたら?

簡単に言うと、自分のコピーロボットを持ったらどうかと言うことです。

ブログやYouTubeアフィリエイトや商材販売、投資なんかはまさにコピーロボット戦法で、自分のリソース(時間・知識・お金)をそれ自体が勝手に働いて稼ぐように複製することです。

私がこの歳になって、プログラミングが必要だと思い始めたのは、小学校で必修化されて新しい時代の教養となった時のことを考えたせいもありますが、自分の生活上のタスクを何か自動化できないだろうかと問いを立てたからでもあります。

 

バルファキス先生は自らの経済学との出会いをこう表現しています。

「経済学は複雑で退屈すぎる。専門家にまかせておいたほうがいい」

だがじつのところ、本物の専門家など存在しないし、経済のような大切なことを経済学者にまかせておいてはいけないのだ。(中略)私がなぜ経済学者になったか、君に話したことがあっただろうか?

経済を学者にまかせておけないと思ったからだ。

そして本書の中で、自分の頭で理解することの大切さを繰り返し語りかけるのです。

人を支配するには、物語や迷信に人間を閉じ込めて、その外を見させないようにすればいい。だが一歩か二歩下がって、外側からその世界を見てみると、どれほどそこが不完全でばかばかしいかがわかる。

大人になって社会に出ても精神を解放し続けるには、自立した考えを持つことが欠かせない。経済の仕組みを知ることと、次の難しい問いに答える能力が、精神の自由の源泉になる。

その問いとは、「自分の身の回りで、そしてはるか遠い世界で、誰が誰に何をしているのか?」というものだ。

自分の頭で考えるって、年取るごとに、ハードルが高くなっていくことなのかもしれません。けれど、これからまだあと60年も生きなきゃいけないなら、学び直し、学び剥がしもアリだと思うんです。

だって、現に学校出てから20年そこらしか出てない今ですら、すでに知識の陳腐化が起こっているから。

この本は学生の頃、経済の勉強を挫折した、もしくは食わず嫌いだった人にオススメします。

まさに私がそれだったから。

あと、関美和さんの翻訳がすてきだった。

平易で、漢字を極力減らした、思いやりのある和訳でした。

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