正直に言います。タイトルに惹かれて購入しました。
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楽にお金を儲けて、のんびり暮らすための指南書くらいに思っていたのです。
しかし、とんでもなかったです。
お金なんか儲けてる場合じゃなかった。
2020年オリンピック以降の日本はガラリと一変し、これまでのお金中心の経済から信用主義社会の到来、マルチコミュニティの時代へと、著者に誘われてガイド付き時間旅行をした気分になる一冊です。
グイグイ先に読み進めることができるけど、立ち止まって考えたくなる箇所がたくさんあって、あとでもう一回読むためにメモ取りながら、読み進めながら、また前に戻りながら、と大変忙しい読書体験でした。
以下は、自分的にグッときた箇所の引用です。
思考力について
21世紀の「頭の良さ」 求められる能力は、メモリーやハードディスクの容量から「思考力・想像力」へとシフトする
鍛えるべきは、「愛嬌力」や「うろ覚え力」である
本質について
「本質的」とは何かと言うと、3つの共通する要素があることがわかる。それは「普遍性(応用がきくこと)」「不変性(時が経っても変わらないこと)」「単純性(シンプルであること)」だ。
健康について
時間を生み出すのは健康(エネルギー)である。
私が普段、最も頭を使っていることは「最も頭を使える環境を作り出すこと」
1.体のコンディショニング
2.ストレスの軽減
3.静謐な空間の追求
信用主義社会について
信用主義社会において大事なことは、現実のお金を持っていることではなく、価値と信用を創造する力だ。
人にどれだけ貢献してきたか、その積み重ねが信用という名のタンクに蓄積される。
コミュニティについて
仕事の定義は労働からコミュニティへの「貢献」へと変わる。
少なくとも次の3つのコミュニティに属することになると指摘する人もいる。
一つは志を共有するコミュニティ(慈善団体、政治団体、趣味仲間など)。
一つは稼ぎどころのコミュニティ(企業や学校、コワーキングスペースなど)。
一つは心安らぐコミュニティ(家族、教会、地域、シェアハウスなど)
戦略的に人格を使い分けよ。
臨在について
21世紀、人が一番お金をかけるのは、プラスのピアエフェクト(好影響)を与えてくれる人材を側に置くことだ。おそらくあと10年以内で人々が一番お金を使う対象は「臨在(仏教用語で優れた人のそばにいることを指す)」になる。
仕事の変化を一言で言えば、それは労働から貢献へのシフトということになろう。(中略)その人が「存在」していること自体が仕事となる場合もある。
個性(天才性)について
業界という枠組みを超えて橋渡しすることで新しい価値を生み出せるハイブリッド人材の価値は乗数的に上がるのだ。
自分が果たして何を得意としているのか、自己分析に徹底的に時間をかけるべきだ。
天才性とはもっと微細で、深いレベルの自分の強みのことである。(中略)あなたが普段周りからよく褒められる要素は、まぎれもなく天才性のヒントとなると言っていい。
何を生業にするかについて
正社員はリスクでしかない(中略)旧世代の産業システムのやり方や会社独自の文化を身につけることは、市場価値から言えばリスクにもなりうる。
これからの時代、信用は個人で作っていくものである。
「仕事は遊び。ビジネスは価値と信用を創造するゲームに過ぎない」と悟る時がきたら、ようやくパラダイムシフトが完了した証である。
学びについて
何か新しいことを学びたいと思ったときこそが勉強を始める最適なタイミングだ。特にこれからはエージレスな時代となり、「何歳だから何をしてはおかしい」といった社会通年はどんどん破壊されていく。
色々なことが椀子そばのように脳に注がれて知恵熱が出そうなので、本書はしばらく置いておき、また時間が経ってから読み返したいと思います。
それこそオリンピック後に。